第1章

食料危機は、すでに
あなたの食卓で始まっている

「食料危機」は遠い国の話でも、将来世代の問題でもない。2026年現在、それはスーパーの値札として、家計の圧迫として、すでにここにある。

感じる
知る
理解する
動く
日本の朝食の食卓を俯瞰した手描き風イラスト。味噌汁・ごはん・卵焼き・焼き魚・納豆・サラダ・トーストが並ぶ中、赤い味噌汁椀の脇に「大豆 輸入94%」、トーストの脇に「小麦 輸入86%」、日本地図とともに「自給率38%」の札、サラダの脇に外国企業ロゴ入りの種袋がさりげなく配置されている。

1-1 / 現状

4つの数字が、食卓の現実を語っている

38%
日本の食料自給率(カロリーベース)
残り62%は輸入に依存
89%
小麦の輸入依存率
パン・麺・お好み焼き——全部海外産
94%
大豆の輸入依存率
豆腐・味噌・醤油の原料
9
野菜種子が海外産または海外交配
種子法廃止(2018年)以降
ホルムズ海峡封鎖・肥料エネルギー危機
世界の尿素輸出の約49%が中東産。2026年、通航がほぼ停止。肥料・エネルギーの国際価格が急上昇し、食卓に並ぶほぼすべての食品のコストが上がっている。
国産農家の疲弊・離農の加速
農家自身も肥料・燃料の高騰に直撃されており、後継者不足・離農が加速。「国産なら安心」という前提も崩れつつある。
政府・市場への過度な依存
「買えば食べられる」前提の生活様式は、価格高騰・供給不安・災害時に一気に崩れる。食料安全保障を「国まかせ」にしている限り、個人は無力なままだ。

日本人は食料の6割以上を輸入に依存している。その輸入が滞ったとき、「買えば食べられる」という当たり前が崩れる。その日は、思ったより近いかもしれない。

1-2 / 構造

「国まかせ」の限界と、個人の自給が最強な理由

国まかせの限界
  • 政策が実行されるまでに数年かかる
  • 補助金は申請できる人にしか届かない
  • 市場価格の上昇は止められない
  • 災害・戦争・封鎖時には輸入が即停止する
個人の自給が最強の理由
  • 今日から始められる
  • お金がかからない(むしろ節約になる)
  • 価格高騰の影響を直接受けない
  • 停電・災害時でも食べ続けられる
  • 自分の自給が国内自給率の向上に直結

1-3 / 深層

農地と種子——見えない支配が進んでいる

注:この節について
農地集積・種子企業の寡占に関する情報は、出典を明示した上で「構造的な問い」として紹介します。特定の人物・企業への批判ではなく、「誰が食料の生産基盤を持つか」という問いを考えるための背景です。

農地の大規模集積(米国の事例)
少数の大資本が農地を集積する動きが米国で報告されている(Business Insider・Land Report, 2021)。「土地は失われない」実物資産として農地が位置づけられている。
種子市場の寡占とF1種子
現在、世界の種子市場はバイエル・コルテバ・シンジェンタ等が寡占。スーパーの野菜の多くはF1種子(一代交配・採種不可)から生まれており、毎年購入が必要な構造になっている。
種子法廃止(2018年・日本)
米・麦・大豆の種子管理を国に義務づけた「主要農作物種子法」が2018年に廃止。地域の気候に合った多様な在来品種が失われるリスク、外資種子企業の参入促進が懸念されている。
この構造に対して、個人ができる4つのこと
在来種・固定種の種を手に入れ、自分で採種する(→第5章
地元の農家・産直から直接食材を買う(→第4章
発酵・保存食の技術を身につける(→第3章
コミュニティで種と食料を共有する(→第6章

今週のお題

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