第5章

種を1粒取っておく
それが、永続の始まり

まずトマトの種を1粒残す——それだけでいい。一度手に入れた在来種の種は、毎年採種することで永続的に使える。政府も市場も奪えない、個人の食料安全保障の基盤がここにある。

感じる
知る
理解する
動く

5-1 / F1種子と在来種

なぜ「種を持つこと」が重要なのか

F1種子(市販の多くはこれ)の問題
  • 一代限り——次世代の種が取れない
  • 毎年購入し続ける必要がある
  • 種の価格高騰リスクに常にさらされる
  • 均一品種のため特定の病気に一斉に弱い
  • 少数の多国籍企業が市場を寡占している
在来種・固定種の強み
  • 種が取れる——一度入手すれば永続的に使える
  • 購入コストが永続的にゼロになる
  • 地域の気候・土壌に適応した品種がある
  • 多様な品種で病害虫・気候変動への耐性が高い
  • 地域固有の食文化・味を次世代につなげられる

5-2 / 4つのステップ(ステップ①改訂版)

入手→育てる→採種→交換の流れ

まず1品種、手に入れるところから
難しく考えなくていい。メルカリで「固定種 トマト」と検索するだけで、今日から始められる。
メルカリ
今すぐ買える
在来種・固定種の個人出品が多数あり。送料込みで数百円から入手できる。「固定種」「在来種」「採種用」などで検索。
利用者が多く、出品者に品種の由来を質問できるのも利点。まず試してみたい人に最適。
LINEコミュニティで交換
無料
ダーチャ日和のLINEオープンチャットで「種の交換」を呼びかける。採種して余った種を無料または郵送実費でもらえることが多い。
お金がかからない上に、地域に合った種を持つ人から直接譲ってもらえる。
野口種苗
専門店
在来種・固定種に特化した老舗種苗店。品種の説明が詳しく、選びやすい。通販対応。
品種の背景や農法との相性も丁寧に説明されており、学びながら選べる。
地域の農家・隣人
声かけ
第4章の要領で「固定種の種があれば分けてほしい」と声をかける。地元の気候に適応した種を譲ってもらえることがある。
その土地で長く育てられた種は、その地域の気候に最も馴染んでいる。
家庭菜園のプランターで種を蒔く手元の手描きイラスト。右手でそっと土に種を置き、左手の手のひらに種が数粒のっている。そばに「固定種 在来種」の種袋と「とまと」の木札が添えられている。
はじめての1品種におすすめ(採種しやすい)
ミニトマト 大葉(しそ) インゲン豆 きゅうり ラディッシュ
メルカリ利用時の注意
「採種用」「固定種」「在来種」と明記されているものを選んでください。F1種子は採種しても同じ品種が育たないため、採種目的には向きません。購入前に出品者に確認するのもおすすめです。
タネを入手したら、蒔いて、育てて、「採種用」を1本残す
育てた野菜のうち、最も元気な株の実を1つ「種取り用」として食べずに残す。完熟させてから種を取り出し、水洗いして乾燥させる。
乾燥させて、正しく保存する
種は乾燥剤と一緒に封筒または密閉瓶へ。品種名・採種日・場所を必ず記録する。冷暗所または冷蔵庫で保存すれば2〜5年使える。
余った種をコミュニティで交換する
採種すると必ず余る。余った種をLINEグループ・種の交換会でシェアする。多様な種が地域に広がることが、食料安全保障の底力になる。

2年目以降のサイクル

一度①を経験すれば、自家採取の永続ループが始まる

② 育てる ③ 保存 ④ 交換・翌年蒔く くりかえし

2年目以降は、自分で採った種から始まるので①(購入・入手)は不要。「種を1粒残す」習慣が続く限り、種代は永遠にゼロ、品種は永続的に手元に残る。これが第5章タイトル「種を1粒取っておく。それが、永続の始まり。」の意味だ。

5-3 / 採種カレンダー

野菜別・採種のタイミングと難易度

野菜採種の時期難易度採種のポイント
ミニトマト8〜9月完熟した実を絞り、種をぬめりごと水に浸けて2〜3日発酵させると洗いやすくなる
大葉(しそ)9〜10月穂先が茶色くなったら株ごと収穫し、紙袋の中で逆さに干すと自然に種が落ちる
きゅうり8〜9月食べ頃を過ぎて黄色くなった実を種取り用に。完熟させてから割って種を取り出す
なす9〜10月株に残して完熟(茶色く縮む)させてから収穫。種を取り出し水洗いして乾燥
インゲン・豆類10〜11月さやが完全に乾燥するまで株に残す。そのまま保存袋へ。最も採種しやすい野菜
大根・かぶ翌5〜6月冬を越させて春に花を咲かせ、さやが茶色くなったら収穫。品種の交雑に注意
易 = 初心者でも失敗しにくい  中 = 少し経験が必要
容器
封筒・小瓶・ジップ袋。密閉できるものが理想。100円ショップの小瓶で十分。
乾燥剤
シリカゲルを一緒に入れる。お菓子の袋に入っているものを再利用してもOK。
場所
冷暗所または冷蔵庫の野菜室。高温多湿を避ければ室内保管でも2〜3年もつ。
ラベル記録
品種名・採種日・採種場所を必ず書く。記録がないと翌年に何の種か分からなくなる。

今週のお題

ダーチャ日和 LINEオープンチャット
種の情報がコミュニティの宝になります。
持っている在来種・固定種の種、または欲しい種を教えてください
例:「大葉の種が大量に余っています、欲しい方に郵送します」「伝統野菜の種を探しています」「去年初めてトマトの採種に成功しました」
たくさんの仲間が参加中
LINEオープンチャットで答える
すでに参加中の方は こちらからトークルームへ
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